ユーラシア経済委員会公式サイトによると、ユーラシア経済委員会技術規制・認定部門の副局長であるチナラ・マンベタリエヴァ氏が、モスクワで開催された会議「規制実務と医薬品登録 – ReglEk 2025」の全体会合において、EAEU(ユーラシア経済連合)における医薬品共通市場の運用状況、移行期間の総括、そして2026年に委員会が重点的に取り組む規制の主要方向性について報告しました。
マンベタリエヴァ氏は特に、EAEUでの医薬品登録の件数が好調に推移していることや、規制要求の主要な変更点について言及しました。
なお、EAEU医薬品市場では、企業が各国の国内規則に基づいて医薬品を登録できる移行期間が、2025年12月31日をもって終了します。2026年以降、新規医薬品の登録は すべてEAEU規則のみに基づいて実施されます。
ユーラシア経済委員会はEAEU加盟国と協力し、この分野の法規制基盤の継続的な高度化を進めており、品質保証のための重要なツールである温度マッピングおよび微生物モニタリングに関するガイダンスも採択されました。
GMP規則の改正、試験室(ラボ)試験の範囲を定めるガイドライン、および空調・換気・暖房(HVAC)システムに関するガイドラインの更新も予定されています。さらに、2026年に採択予定の EAEU薬局方 第1巻 第IV部の準備が最終段階にあることが明らかにされました。
加えて、医薬品の生物学的安全性試験実施規則について、最新のバイオ医療技術の規制強化を目的とした3つの新章が追加されることも報告されました。
「ReglEk」会議はEAEU加盟国の製薬企業が参加する主要な年次イベントのひとつであり、医薬品流通および関連する法執行実務の最新課題が議論されます。今年はキューバ、UAE、ベトナム、エジプトなど第三国の代表者も参加したそうです。
EAEU(ユーラシア経済連合)の医薬品市場は、2026年から完全に「連合ルール」へ一本化されます。
GMP規則や品質管理ガイドラインも次々アップデートされており、EAEU向けに新規参入を考える企業にとっては準備が重要なタイミングになっています。
今回の発表では、生物学的医薬品に関する章の追加や薬局方の改訂など、バイオ医療分野の強化も明確に示されました。
引き続き、EAEU市場に向けた情報収集・体制整備をサポートしていきます。